

このトレーニングでは、ページもの及び見開きパンフレットのサンプルを作りながら、InDesign 2020の基本機能と基本操作を学習します。
このトレーニングでは主に、社内報や広報紙などのページもの制作に必要な基本機能と基本操作の習得に重点を置いており、最終出力は紙媒体とPDFを前提にしたトレーニングになります。ビジュアル要素(画像・ビデオの挿入)やインタラクティブ要素(QRコード生成・ハイパーリンクの挿入)も取り入れながら、InDesignを学習していきます。
HTMLを挿入してWebコンテンツを生成したり、動画やサウンドデータを貼り込んで、PDFに書き出すことで、動画再生やサウンド再生可能なPDFを作成することが可能ですので、目的に合わせてその機能を使い分けて使用するといいでしょう。
InDesign CCでは「印刷」・「Web」・「モバイル」の3つのプリセットから、それぞれ「マージン段組」と「レイアウトグリッド」の2つのアプローチでページを制作することが可能ですが、いくつかのサンプルを作ることでこれらの違いを学習しながら、InDesignを習得します。
なお、この講習では、CC2019以前のバージョンとの違いも合わせてご説明しますので、まだInDesign 2020に移行されていない方もふるってご参加ください。

- Adobe InDesign 2020を使って、ページもの、見開きデータの制作までできるようになります。
- 基本操作の習得に加え、プリント以外のアプトプットにはどのようにデータを作成していけばいいか、が理解できるようになります。
- 他のアプリケーションとの連動性が高いため、Illustrator,Photoshop,AfterEffectsやPremiere Proなどと、どのように連動するか、どのようにデータを作っていくと効率的か?について理解することができます。

- IllustratorとPhotoshopの使用経験がある方
- これからAdobe InDesign 2020、またはCCを使う方

●全般
InDesignとは、主にプリントアウトを目的としたページレイアウトソフトです。
アプリケーションのインターフェイスはIllustratorと似ていますが、文字組版機能に非常に長けているため、各パネルから派生するサブメニューなどは、Illustratorに比べ、特に文字周りの機能においては圧倒的な機能差があります。
さらに、InDesignはプリントアウト以外にも様々なアウトプット先を用意しており、使用目的を変更することで、以下のようなメディアにもアウトプットすることが可能です。
- 電子書籍(EPUB)
- xhtmlファイル
- 動画やサウンド付きの(暗号化した)PDFファイル
Illustrator、Photoshop、AfterEffectsやPremiere Proなどで作成したデータは、InDesignの中に取り込み、これら様々なアウトプット先で使用する素材として活用することが可能ですので、DTP・Web・アニメーションなど、様々な業種を横断的に使用できるアプリケーションといえるでしょう。
●Web業界
Web業界の方は、以下のようなケースの場合、このInDesignを習得しておくといいかと思います。
- 電子書籍(EPUB)作成
- 紙媒体のお仕事も並行して行う場合
電子書籍は、ファイルの中身がXHTML・CSS・XMLでできているため、ソースの解釈ができれば通常のテキストエディタやDreamweaverなど他のWeb系アプリケーションでも作成することは可能ですが、電子書籍はページを構成するHTMLやCSSの他に、書誌データなどをXMLで作成し、画像などの関連ファイルも含めEPUBとして圧縮するまでを一連の作業とするため、完品にするためには複数のソースの作成が伴います。
InDesignを使用することで、このEPUBへの圧縮までを全てアプリケーション操作で行えるため、書き出した後にEPUBを若干ソースレベルで手直しする、などの作業で作成することが可能になります。
また、CSSと同様にスタイルを適用することでテキストのレイアウトを行う仕様になっており、スタイル名はCSSでのクラスやIDの命名規則で作成し、そのままCSSに書き出して使用する、というようにデータを作成するため、CSSの理解があるとよりInDesignでのデータ制作の意味も理解できるかと思います。
●DTP業界
DTP業界の方は、過去、QuarkXPress・Pagemaker・EDI Colorなどのページレイアウトソフトの経験がある方もいらっしゃるかと思いますが、基本的にオペレーションは違えどアプリケーションの役割は同じですので、これらの経験がある方は、操作の習得は早いかと思います。
また、Illustratorでの操作感も加わっているため、何かしらAdobe関連のソフトの経験がある方は、それほど違和感なく操作の習得が可能かと思います。
また、InDesignでは、IllustratorやPhotoshopの連携が強く、Illustratorで作成したオブジェクトは、InDesignの中にコピーペーストで貼り付けることが可能(InDesignで作成したオブジェクトの扱いになる)です。またPhotoshopのレイヤー付き画像は、レイヤーの表示非表示をInDesign側からコントロールできるなど、非常に各アプリケーション間での連携も取れているアプリケーションです。
このトレーニングで習得できるスキルは以下のようなものになります。
○ IllustratorとInDesignの違い
ページ物のデータは(作ろうと思えば)Illustratorで作成することも可能ですので、「IllustratorとInDesignは何が違うのか?」とお考えになる方もいらっしゃるかと思います。
確かにIllustratorでもページ物を作成することは可能ですが、Illustratorの場合、ページ物を作成するに当たっては、ページ物制作に関する以下のような部分でInDesignに劣る部分があります。
- 各ページに共通するオブジェクトを自動で複製しながらページを増やしていく仕組み
- コンテンツの入れ替えを伴う、ページの入れ替え
- ページ内コンテンツやページのサイズ変更が発生した場合の処理
Illustratorは、1つのデータ内に最大1000のアートボードを内蔵できるため、考えようによっては1000ページのページ物であればできないことはありませんが、Illustratorの場合は、ページ間でのコンテンツの連携がInDesignほど考慮されてはいないため、1ページ1ページを手動で作成する、という考え方がどうしても色濃くなってしまいます。
確かに、いろいろなオブジェクトも作成でき、画像も貼れるため、すべてをIllustratorで行ってもいいのでは?と考える方もいらっしゃるかと思いますが、Illustratorでのページ物制作は、どちらかというと力技で作成するイメージが近いかと思います。
一方、InDesignの場合は、前のページのレイアウトを引き継いで新規ページを作成したり、ページ同士の順番入れ替えがあっても、ページ内のコンテンツを動的に自動修正していく機能がIllustratorに比べて長けています。また、1000ページに及ぶページ物でも、例えば20〜50ページ程度のデータを複数作成し、プリント時にそれらのデータを結合して1冊1000ページの本に見立ててプリントする、などページ物の編集に特化した機能が多々含まれるため、ページ物制作のことを前提に作られているアプリケーションになり、逆にIllustratorのように複雑なイラストを描く機能は持っていません。
そのため、Illustratorでもページ物データはできますが、Illustratorで作成するとあまり効率的ではなく、力技でのデータ制作になってしまう、とお考えいただければいいかと思います。Illustratorはもともと、ベクトルデータを作成するためのアプリケーションになります。
IllustratorもInDesignも、それぞれ役割に応じた使い方をしていくといいかと思います。
●映像業界
映像業界の方は、紙媒体を作成する、という仕事を兼務するようにならなければ、あまりこのInDesignを使用する機会はないかもしれません。
ただし、ビデオのデータはInDesignに貼り込み、PDFに書き出すことで、ビデオが再生するPDFを作成することが可能で、そのビデオ付きPDFは暗号化することが可能です。
AfterEffectsなどで編集した動画を、PDF内で文字や画像と一緒にページとして仕上げ、メールで配布可能なPDF資料をInDesignから作成することが可能ですので、こういった使い方ある、ということを覚えておくと活用方法がでてくるかと思います。

このトレーニングでは、ページ物及び見開きのサンプルを作りながら、InDesignの基本操作と機能を学習します。InDesignは、作成したデータを何にアプトプットするか?によって、データの作り方が若干異なりますが、PDF、HTML、EPUBなどへの書き出しが可能で、DTP/Web/ビデオ・映像コンテンツを横断的にアウトプットできる、クロスプラットフォーム対応アプリケーションの代表傑作ともいえます。
InDesignは、他のアプリケーションに比べると機能は多いですが、基本操作を習得することで、汎用的にさまざまなアプトプット先に対応したデータの作り方を習得する可能になりますので、InDesignを紙・Web・映像などの様々なコンテンツを利用したプロモーション等に応用して使っていけるよう、まずは基本操作からきちんと習得するところから始めてみましょう。
なお、過去にInDesignのトレーニングを受講された方が、全国広報コンクール 広報紙(町村部)2席を受賞されました。以下は、長野県小布施町の方の作品の一部です。


伊藤 和博
株式会社イマジカデジタルスケープ
トレーニンググループ・トレーニングディレクター
講師歴25年。講座開発数200以上。
総合商社のスクールでMac/Winを使ったDTP/Webトレーニングスクールの業務全般を担当。大手PCメーカー、プリンターメーカー、化粧品メーカー、大手印刷会社、大手広告代理店、新聞社、大手玩具メーカー、大学、官公庁、団体などに向けたトレーニングなど幅広い企業の人材育成に携わる。
現在は、イマジカデジタルスケープにてAdobeCCを中心としたトレーニングの企画、講師を務める。Adobe認定エキスパート、アップルコンピュータ認定技術者、CIW JavaScript Specialist、CIW Web Design Specialist。

開催日 |
時間 |
2021年2月3日(水) |
10:00〜17:00(1日:6時間) |

イマジカデジタルスケープ・トレーニングルーム
住所:東京都渋谷区道玄坂1-10-8 渋谷道玄坂東急ビル8F (JR「渋谷」駅西口より徒歩5分、国道246号沿い)
[ MAP ]

はじめに
- Adobe InDesign CCの特徴
- 作業の基本手順
- 必要システム構成
インターフェイス
ファイルの互換性
- InDesign CC以前のInDesignドキュメントを開く
- 他のアプリケーションで作成したファイルを開く
画面表示
- 画面表示の拡大縮小
- スプレットとペーストボード
- パワーズーム
新規ドキュメントの作成(マージン/段組)
- ドキュメントプリセット(プリント・Web・モバイル)
- マージン/段組とレイアウトグリッドの違い
- 各ガイドの名称と役割
- 保存・復帰・復元
- 作業の取り消しと取り消しのやり直し
- 定規ガイドの作成・選択・削除・位置指定
- ガイドのカラー変更とロック
オブジェクト
- パス・フレーム・ボタン
- オブジェクトの描画(クローズパス・各種フレーム・線ツール)
- オブジェクトの描画(オープンパス(鉛筆ツール・ペンツール))
- オブジェクトの編集
- オブジェクトの配置と整列(各種スマート機能)
- 変形パネルと各種変形ツール
カラー
- カラーパネルとスウォッチパネル
- ペイント
- スウォッチの設定と削除
演習1(ペラ物・ページ物の作成)
- インデックスの作成
- 繰り返し複製・変形を個別に再実行
- 比例配置
- スウォッチでのカラー管理
- 画像の配置とトリミング
- コンテンツグラバー
- フレームの扱い方
- テキスト編集
- パネルレイアウトの変更
- テキストの設定
- グラデーション
- オブジェクトの前後関係
- 効果(ドロップシャドウ)
演習1・続き
- プレビュー
- 高品質表示
- プレビューモード
- スニペット
- マスターページとページパネル
- プライマリテキストフレーム(CS6)
- ページの表示と選択の違い
- ドキュメント設定変更
- ページの挿入(ドキュメントページの新規挿入)
- ページの挿入(マスターページの新規挿入)
- B-マスターの作成と適用(ページ属性変更)
- 元の位置にペースト
- 連結フレームの作成
- テキスト変数
- 現在のページ番号(ノンブル)の指定
- オーバーライドと親子関係
- ローカルオーバーライドを削除
- テキストの流し込みとスタイル適用
- 段落スタイルの読み込みと適用(検索と置換)
- 目次の作成
- 改ページ・改段の仕方
- タブ
- セクション設定と目次の更新
- テキストの回り込み
演習2(見開きパンフレットの作成)
- 新規レイアウトグリッド
- フレームグリッド設定
- レイヤー
- ページの削除
- ドラッグでオーバーライド
- 定規をノド元から配置
- フレームの種類を変更
- フレーム調整オプション
- 画像の一括配置
- コンタクトシート
- ライブキャプション
- グラデーションぼかしツール
- 効果パネル
- オブジェクトの階層移動
- ライブラリの作成とアイテムの配置
- 相互参照(ハイパーリンク)
- QRコードを生成
- HTMLを挿入
- マルチスプレッドAIファイルの配置
- セルのオーバープリントとオーパープリントプレビュー
- オブジェクトレイヤーオプション
- ドキュメントページの移動を許可
- 透明の管理
- リンク
- ライブプリフライト
- パッケージ
書き出し
- 書き出しファイルの種類について
- アウトプット先に合わせたドキュメント制作の注意点
プリント
他

オリジナルテキストを使用。受講料に含まれているのでお得です!

- 受講票(プリントアウト環境が無い場合には、携帯・スマートフォン等への画面コピーでも可)
- 筆記用具
※データの持ち帰り、データの持ち込みはできません。

- Adobe InDesign 2020
- Adobe Illustrator 2020
- Adobe Photoshop 2020
★☆受講者の声☆★