こんにちは、イマジカデジタルスケープの伊藤和博です。
今週から2回にわたってPremiere Pro CC 2017の新機能から「VRワークフロー・その1」をご紹介します。
VRとはバーチャルリアリティのことで、ゴーグルのようなカメラを顔に装着し、その場で仮想空間を疑似体験するようなものもあれば、市販の360度全天球カメラなどを使用して風景などを撮影し、その場の様子を360度全方向から記録する、というようなものまであります。
賃貸物件を扱う不動産屋が物件の内覧を動画で伝えたり、また、最近では会社の紹介ビデオに使用したりなど、活用の仕方は様々です。
2013年11月、360度全天球カメラの先駆けであるRICOHが、THETA(シータ)というカメラを発売してから3年ちょっと経ちましたが、最近ではカメラの種類も豊富になってきており、Kodak、NIKON、SAMSUNGなど様々なメーカーから発売しており、またiPhoneに直接接続して使用するものなどそのスタイルも様々で、YouTubeでもこれらの全天球カメラを使ったかなりの数の動画が公開されるようになってきました。
このように動画の入手が比較的容易になってきましたので、今回から2回に分けて、Premiere CC 2017でのVRワークフローをご紹介したいと思います。
Premiere Proでは、CC 2017より360度動画の編集に対応しており、昨年11月のバージョンアップでこれらの機能がさらに強化しているため、その使い方からご紹介していきます。
レイアウトとはVRビデオのフレームサイズになりますが、シーケンスに対して自動で適用されるVRコンテンツのレイアウトは、Premiere CC 2017の11月アップデートにより、取り込んだクリップによって自動判別されるようになっています。
ちなみにフレームサイズが1:1の場合は立体視・上下VR、2:1の場合は平面視、4:1の場合は立体視・並列VRと解釈されますが、この自動検出はフレームの高さが960、1920、2058、2880、4096、5760、6000に制限されます。
書き出したVRビデオをYouTubeにアップロードする場合は、動画に対し専用のアプリケーション(無料)を使用してメタデータを追加してからアップロードする必要があります。
まずは、以下のYouTubeサイトにアクセスし、【ステップ2:アップロードの準備】の中にあるハイパーリンクから【Spatial Media Metadata Injector】というアプリをダウンロードします。
ダウンドーロした【Spatial Media Metadata Injector】を起動すると、ウインドウ1枚だけ表示されるため、openをクリックしてアップロードする動画を選択した後、【My video is spherical(360)】にチェックを入れ、右下の【inject metadata】をクリックすると、Saveのウインドウが表示されるため、保存します。
以下が実際に書き出したVRビデオ(音はなりません。約15秒)になります。【Spatial Media Metadata Injector】を使用するとウインドウ左上にあるコントローラーが添付されるようになり、コントローラーを操作するか、またはビデオの上でマウスでドラッグすると360度ビューで方向を変更することが可能です。