正距円筒法
最初に動画ではなく画像からご紹介しますが、まず、以下のような正距円筒法の画像を用意する必要があります。
前述の通りGoogleストリートビューアプリがあればこの画像は自分で撮影可能ですので、撮影した後の画像をPremiereに取り込んで編集します。Googleストリートビューアプリでの撮影そのものは、アプリ起動後にナビゲージョンが働くため、特に難しい操作なく360度画像の撮影が可能かと思います。
Googleストリートビューアプリで撮影した360度画像をPCに取り込む
Googleストリートビューアプリで撮影した360度画像を画像データとしてスマートフォン内に保存し、PCに取り込むには、iOSの場合は付属の写真アプリ内にも同時に保存しておく、という設定をしておかないと、せっかく撮影した画像が画像データとして取り出せません。
この設定は、Googleストリートビューアプリを起動した後、画面最上段にある検索ウインドウ左から【≡】をタップし、【設定】から【アルバムをスマートフォンに保存】をONにしてから撮影します。
こうすると、撮影後の360度画像がiPhone内の写真アプリ・カメラロール内に保存されるため、そのあとはメールに添付でダウンロードしたり、写真アプリ(旧iPhoto)を経由してファイルに保存すればPCに取り込めるようになります。全天球の写真を撮影すると数十枚の画像を撮影して1枚に合成するため、スマートフォンの有効画素数にもよりますがデータ量も100MB前後になります。
縦横比と解像度
YouTubeでは、解像度7168 × 3584 〜 8192 × 4096のフレームサイズ2:1の平面視・正距円筒法のコンテンツを推奨としています。
Googleストリートビューアプリで撮影した画像は、2:1の正距円筒画像になりますが、解像度はスマートフォン付属のカメラの画素数によってこれらのサイズに合致しないこともあるため、画素数が高い場合はPhotoshopの画像解像度で8192 × 4096に、低い場合は最低でも1920 × 960にしておきます。
なお、Premiereの場合、フレームの高さが960、1920、2048、2880、4096、5760、6000、8192でVRプロパティを自動設定するため、YouTubeの推奨最大サイズが8192 × 4096であることから、YouTubeにアップすることを考慮するとフレームの解像度は・・
・1920 × 960
・3840 × 1920
・4096 × 2048
・8192× 4096
のいずれかになるように、Photoshopの画像解像度を設定する、ということになります。
つなぎ目が表示される場合
シーケンスのVRプロパティが平面視以外の設定になっていると、プロジェクトモニターをVRビデオ表示にすると、コンテンツにつなぎ目が表示されます。この場合は、プロジェクトパネルからシーケンスを選択し、シーケンスメニュー > シーケンス設定で、VRプロパティのレイアウトの設定を再度確認しましょう。
最初に撮影した画像と正面設定
画像もビデオもそうですが、360度コンテンツの場合どの部分を正面(スタート時点の画像)にするかで、最初の視点も変わってきます。Googleストリートビューアプリで撮影した画像の場合、【最初の1枚目に撮影した画像が自動的に正面】になるため、撮影時点でどの部分を正面にするかを考慮して撮影するといいでしょう。
なお、撮影後に正面の位置を変更する場合は、エフェクト > ビデオエフェクト > ディストーション > オフセット、のエフェクトをクリップに適用し、エフェクトコントロールパネルの【中央をシフト】で設定します。なお、正面を設定するだけであれば、数値の変更のみでキーフレームを設定する必要はありません。
ちなみにエフェクトコントロールのアンカーポイントはあくまでもクリップの中心、という意味ですので、アンカーポイントでは正面の設定はできません。
キーフレームを設定し、パン・チルトさせる(オフセット及びSkyBox Rotate Sphere)
360度画像の場合、自動的にパンやチルトを行うことで静止画に動きを与えられますが、デフォルトトランジションであるモーション・位置に対してキーフレームを設定すると、クリップそのものの座標位置が動いてしまいます。
自動でアニメートするようにパンやチルトを設定する場合は、上記の正面設定で使用するオフセットエフェクトの【中央をシフト】に対してキーフレームを設定すると、以下のようにパン・チルトで動かすことが可能です。プログラムモニター上での回転はぎこちなく見えますが、書き出すとスムーズに動きます。
VIDEO
ただしいわゆる回転トランスフォームではなく中央を移動しているだけですので、クリップの尺に合わせてちょうど360度1回転、というような回転数の指定ではなく、中央の座標値を指定することになります。
このようなパンやチルトも含めた動作をプラグインで行う場合はMettleのSkyBoxというプラグインを使用するといいでしょう。以下のサイトでデモ版をダウンロードすることが可能です。
○SkyBox 360/VR Tools for Premiere Pro
https://www.flashbackj.com/aescripts/skybox_360_vr_tools/
ダウンロード及びインストールするとエフェクトパネル > ビデオエフェクト > Mettleというフォルダが作成されるため、その中にある【Mettle SkyBox Rotate Sphere】を使用すると、キーフレームを設定し動かすことが可能ですが、パンとチルト以外にも様々な機能がありますので、ぜひ上記のサイトを参考にして見てください。
360度動画の場合
Media EncoderからVR書き出し
Media Encoder経由でVRコンテンツを書き出すことももちろん可能です。ファイルメニュー > 書き出し > メディア から、キューをクリックしてMedia Encoderを起動し、Premiereと同様の設定を行うことが可能です。
360度のコンテンツはYouTubeに限らず、JavaScriptを使用してWebブラウザのみでVRを実現するA-Frame(Mozilla)などもありますが、
Creative Cloudを使用しているのであればPremiereで行うのが手軽にできるのではないかと思います。
また、4月末にはKodak社より新しいVR4Kカメラが発売されるようです。購入を検討されている場合は、各カメラの比較を行なった上で検討されるといいかと思います。予算はもちろんですが、機能面として単眼、双眼、画質、フレームレートなどなど様々な要素があり、画質に関してはYouTubeで比較ビデオがかなりアップされているため、検索してみるといいでしょう。
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