イトウ先生のTipsnote AfterEffects CC 2018の新機能:プロパティリンクのピックウィップ

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【 AfterEffects CC 2018 の新機能:プロパティリンクのピックウィップ 】

こんにちは、イマジカデジタルスケープの伊藤和博です。
今週は、AfterEffects CC 2018、2018年4月アップデートから新機能で「プロパティリンクのピックウィップ」をご紹介します。
何らかのレイヤーの特定のプロパティにアニメーションを設定した後、他のレイヤーまたは自身のレイヤーの何らかのプロパティとリンクし、元のアニメーションと同じ動きをさせる場合に、AfterEffectsではエクスプレッションを作成して動かすか、またはキーフレームのコピーペーストで動かすか、という方法がありますが、このエクスプレッションを作成して動かす方法の1つとして新たに「プロパティリンクのピックウィップ」という方法が追加されました。
手軽にエクスプレッションを使用できる方法となり、キーフレームを設定する作業工数を減らすことが可能です。

さっそくやってみよう!

今回はテキストを使った例でご紹介しますが、まずはテキストレイヤーにアニメーションを適用します。



このアニメーションのテキストを「別のテキストに再入力したい」という場合に、設定したエフェクトによってはテキストが選択しづらく、テキストを選択するためだけに、一度エフェクトをオフにして選択する、ということをする場合があります。

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この時に、レイヤーの構造を以下のように作り変えます。

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空のテキストのソーステキストにエクスプレッションを設定し、エクスプレッションピックウィップを、ガイドレイヤーのソーステキストにドロップします。

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以降、テキストを再入力する場合は、ガイドレイヤーの方にテキストを再入力すれば、自動的に空のテキストレイヤーも更新されます。ガイドレイヤーでのコントロールのため、ガイドレイヤーはレンダリングされない+コンポジション上で非表示も可能、ということになります。

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この時、エクスプレッションを入れる、という方法ではなく、「親子付けする」感覚で使用できるのが、「プロパティリンクのピックウィップ」となります。

プロパティリンクのピックウィップ

空のテキストレイヤーの「親とリンク」列に、新たにピックウィップができているのがわかります。このピックウィップをリンクさせたいプロパティにドロップすることで、自動的にエクスプレッションが適用されたのと同じ状態にすることができます。

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出来上がるエクスプレッションも同じソースとなり、エクスプレッションをOFFにする場合は、ピックウィップをoption【Alt】+クリックで、エクスプレッションを無効化にする、もONになります。

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なお、同じような機能に「プロパティリンクと一緒にコピー」という機能があります。この機能は、例えば以下のようなアニメーションがあった場合・・



赤いシェイプのポジションプロパティを選択し、編集メニュー > プロパティリンクと一緒にコピー、を選択した後、青いシェイプのポジションプロパティにペーストするとエクスプレッションが適用されますが、この方法の場合、エクスプレッションの最初がcomp()になり、コンポジション「名」からの参照になります。

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そのため、コンポジション名を変更するとエクスプレッション自体を書き換えないと無効になりますが、「プロパティリンクのピックウィップ」からの場合はthisCompでエクスプレッションを作成するため、コンポジション名には依存しないエクスプレッション、ということになります。

「プロパティリンクのピックウィップ」も「プロパティリンクと一緒にコピー」それぞれのメリットがあるため使い分けるといいかと思いますが、この「プロパティリンクのピックウィップ」の一番のメリットは「個別のプロパティだけを親子付けする=エクスプレッション操作ができる」という操作を、ドラッグ&ドロップだけでできる、というのが一番のメリットではないかと思います。
エクスプレッションを使用する場合は、アニメーションの構造管理が必要になりますので、どこに紐づいたアニメーションになるのかを設計しないとあとあと面倒なことになりますが、上手に使うと非常に便利な機能ですので、アップデートがまだの方はアップデート後に使ってみてください。

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