イトウ先生のTipsnote Photoshop CC 2018 CameraRaw ver10.xの新機能:範囲マスク

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【 Photoshop CC 2018 CameraRaw ver10.xの新機能:範囲マスク 】

こんにちは、イマジカデジタルスケープの伊藤和博です。
今週は、Photoshop CC 2018、CameraRaw ver10.xの新機能から「範囲マスク」をご紹介します。
この機能は、Creative CloudメンバーとしてPhotoshopを利用されている方限定の機能になりますが、Photoshop付属のCamera Rawプラグイン内にある補正ブラシ、円形フィルター・段階フィルターに、カラー範囲マスクと輝度範囲マスクの機能が追加され、CameraRaw内にある補正ブラシ、円形フィルター・段階フィルターの各フィルターを使用して画像にマスクを作成した後、マスク範囲内の特定のカラー、または輝度を補正することが可能になりました。
例えば、「画像の中心から外側に向かって、画像内に含まれる赤系統のカラーのみを、(円形に・段階的に(徐々に))彩度を調整したい」など、という時に便利な機能です。
もちろん、同じような機能はPhotoshopのレイヤーマスク+各種色調補正コマンドでも可能ですが、CameraRawで行う利点としては、円形フィルターや段階フィルターの利便性と、「カラーを限定して」複数の色調補正コマンドを同時に行えること、にあります。これらのフィルターツールは、InDesignのグラデーションぼかしツール感覚で使える、ドラッグするだけですぐに効果が適用される優れたマスクツールとなりますが、今回のアップデートでそのマスク範囲内の「特定のカラーのみ」に補正をかける、ということが容易になりました。

さっそくやってみよう!

まずは、CameraRawの補正ブラシ、円形フィルター・段階フィルターそのものの使い方を簡単にご説明いたしますが、画像をCameraRawで開いた後、補正ブラシツールを選択します。ウインドウ右側のパネルには、補正ブラシで使用できる各パラメーターが表示されています。

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ウインドウ下部にある「補正前と補正後のビューを切り替え」をクリックすると、右側のビューで補正結果を見ながら修正可能です。例えば、彩度の数値を上げておき、彩度を上げたい箇所で補正ブラシでドラッグ、または先に彩度を上げたい画像の上でドラッグし、パネル内の彩度の数値を上げると彩度が上がります。

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単に彩度を上げるだけなら、Photoshopのスポンジツールでも同じことが可能になりますが、CameraRawを使う意味は、彩度の補正に加え、補正ブラシでドラッグした箇所に対し、同時に様々な補正を追加で加えることにあります。この後、露光量も上げると以下のようになります。
補正ブラシの場合はドラッグした箇所を任意に補正する場合に使用する、となりますが、円形フィルターの場合は放射グラデーション状に、段階フィルターの場合は直線グラデーション状にマスクを作成できるため、その範囲内に様々な補正をかける場合に使用します。

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範囲マスク

今回、CameraRawに加わった新機能は、これらのマスク系ツールに、「範囲マスク」が追加され、マスクをかけた箇所から更に特定のカラー、輝度に絞り込んで補正をかけることが可能になりました。
例えば、上記で行った、補正ブラシによる彩度と露光量の補正を例にすると、まず、補正したい箇所を補正ブラシでドラッグし、マスクを作成します。マスクをかけた箇所がどのエリアになるのかを確認する場合は、ウインドウ右下にある「マスク」にチェックをいれると、マスクの範囲を目視で確認することができます。

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マスクを作成した後、補正ブラシのパネルを下にスクロールすると、「範囲マスク」というのが追加されているのが確認できるため、この範囲マスクを「カラー」に設定します。

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次に、補正ブラシでマスクした箇所から「何のカラーに対して補正をかけるのか?」を設定するため、マスクした画像の範囲内から色をサンプルします。範囲マスクをカラーに設定すると、プルダウンメニューの右にスポイトが表示されるため、マスクした箇所から変更を加えたい箇所のカラーをサンプリングします。スポイトによるサンプルポイントの追加はshift【Shift】+クリックすることで最大5箇所まで設定可能です。

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この状態で補正をかけると、スポイトでサンプルしたカラーに近いカラーの箇所のみに、補正ブラシでの補正をかけることが可能になります。

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周辺の画像に同色カラーが含まれる場合には、色域指定のスライダーを調整することで、より色域の絞り込みを行うことが可能です。

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範囲マスクを「輝度」に設定した場合は、スポイトは表示されませんが、輝度範囲で絞り込みを行うことが可能です。色彩がはっきりしている画像の場合は、輝度範囲のシャドウ部分を高めに上げることで、周辺の画像に影響を与えずに補正することが可能になります。

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Photoshopでこれらを行う場合は、マスクや選択範囲を作成した後、色相・彩度や露光量などそれぞれ個別のコマンドで補正をかけていきますが、CameraRawの場合はマスクした箇所に様々な補正を同時にかけられ、かつピンポイントでカラーを限定して補正できるようになったため、大変便利になりました。Creative CloudメンバーでPhotoshopを使っている方は、CameraRawのアップデートでこれらの機能が使えるようになりますので、アップデートがまだの方はぜひ使ってみてください。

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