こんにちは、イマジカデジタルスケープの伊藤和博です。
今回は、Premiere Pro 2022、2022年2月アップデートから新機能で「リミックス」をご紹介します。
この機能は、2021年末、2ndbookのブログにて、Beta版でのリミックスの機能をご紹介しておりますが、このリミックスが正規版の方に搭載され、正式にPremiere Proの機能として使用できるようになりました。
リミックスの機能そのものは、Beta版の記事でもご紹介している通り、タイムラインに取り込んだサウンドを、同じ時間軸に表示されているビデオと調和するようデュレーションを調整し、曲のパターンとダイナミクスを分析して自動で編集、新たなサウンドを作り出す、という機能になります。
基本的な操作方法は、Beta版でご紹介しました記事と同じ内容で操作が可能ですが、今回、正規版の方に正式に正規版では、もう少し機能を深掘りしてご紹介したいと思います。
さっそくやってみよう!
この機能はナレーションや効果音ではなく、主にBGMサウンドに使用する機能となりますが、映像とサウンドのデュレーションが異なる場合に、サウンドのデュレーションを短くまたは長くすることで映像部分のデュレーションと同じデュレーションに合わせた場合に、自動で楽曲を編集し、新たな曲を作成する、という機能になります。
使い方そのものはBeta版でご紹介した通りとなりますが、簡単におさらいしますと、まずタイムラインに配置したサウンドクリップを選択し、クリップメニュー > リミックス > リミックスを有効化を選択します。
すると、自動的にエッセンシャルサウンドパネルが表示され、デュレーションの箇所がアクティブになるため、ターゲットデュレーションに目的のデュレーション(今回は映像のシーン全体と同じ43秒06フレーム)に設定すると、プラスマイナス5秒の誤差で、目的のデュレーションに合うよう、サウンドを自動で編集します。どの部分に編集が入ったかどうかに関しては、タイムライン上のサウンドクリップを確認するとギザギザの波形が入ることで編集箇所が確認できる、というものです。
リミックスツール
このツールもBeta版からありましたが、リップルツールのツールグループに、リミックスツールというツールが新たに搭載されました。このツールを使って、クリップをトリミングするように、サウンドクリップの境界部分からそのままドラッグしてデュレーションを変更すると、自動的に上記の手順にあるリミックスが有効、の状態となり、任意のデュレーションに再編集してくれます。エッセンシャルサウンドパネルも自動で表示されます。
なお、一度リミックスしたクリップを、リミックス前の元の状態に戻す場合は、タイムラインパネル上でサウンドクリップを選択した状態で、クリップメニュー > リミックス > リミックスを元に戻す、を選択します。
リミックスのカスタマイズ
リミックスを行うと、エッセンシャルサウンドパネルのデュレーションに補間方法などの各項目が表示され、リミックスのカスタマイズも可能になっています。
「補間方法」は、リミックスを行うとリミックスのラジオボタンにチェックが入ります。
「ストレッチ」とは、レート調整ツールやクリップメニューにある「速度・デュレーション」で調整したのと同じ意味になり、スローやラプスの調整が行われたのと同じ意味になります。
「ターゲットデュレーション」は、目標にしたいデュレーション値で、ここに希望するデュレーションを入力します。
「リミックスのデュレーション」は、実際にリミックス後の実際のデュレーションになります。プラスマイナス5秒の範囲内(通常は1秒以内)でリミックスが行われます。
「セグメント」は、リミックスによって生成されるサウンドのカットとクロスフェードの数を制御できます。値を小さくするとカット数は必要最小限となり、値を大きくするとアルゴリズムの柔軟性がより高くなり、動的な曲に適応できるようになるため、サウンドの種類によって設定するといいでしょう。
「バリエーション」は、メロディックと倍音というスライダーで構成され、曲のよりメロディックな要素またはハーモニックな要素に焦点を合わせて、代替リミックスをすばやくプレビューします。トランペットなどのソロ楽器の曲はメロディック寄り、オーケストラなど複数の音が混ざっている場合は、倍音寄りにするとより自然に聞こえる場合があります。
Beta版のブログでもご説明しましたが、このリミックスの機能でサウンドのデュレーションを長くリミックスすることも可能ですが、長くすると同じフレーズが繰り返し使われることになり不自然なサウンドになることもあるため、長めのサウンドを短くリミックスする、という使い方がいいかと思います。また、自分では思いつかないようないい感じに仕上がることもありますので、いろいろなサウンドで試してみていただくといいかと思います。
2月アップデートで搭載されたばかりの機能となりますから、アップデートがまだの方はぜひアップデートして使ってみてください。
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