●全般
Illustratorでは、作図するためのツールとして矩形ツールや楕円ツールなど、様々なツールが用意されていますが、その中でも、仕事で必要になるツールとして習得しておく必要があるツールは、ペンツールというツールの使い方です。
このペンツールを使用して、どのような線でも自由自在に描けるようにならないと、Illustratorを習得しているとは言えませんが、このトレーニングでは、ペンツールを使用しない方法で作図する方法をトレーニングいたします。
ペンツールは操作に慣れが必要なツールで、トレーニングに時間を要することから、ペンツールそのものの使い方は、DTPデザイン入門セミナーという他のトレーニングで行っていますが、その他、ペンツールの使い方は、YouTubeに掲載している以下のビデオチャンネルでご紹介しておりますので、以下のビデオにて無料で学習いただけます。
また、Illustratorで押さえておく機能・考え方としては、アピアランス、シンボル、グラフィックスタイル、レイヤーなどオブジェクトの重なりの概念やその活用方法、となり、これらを活用して、複雑なオブジェクトをアンカーポイントの少ない軽いデータとして仕上げることができれば、いわゆる「Illustratorを使える」といえるかと思いますが、トレーニングではこれらの使い方を学習することができ、学習した内容は以下のような作業に活用することが可能です。
●Web業界
Web業界の方は、Illustratorを使って、1pxを意識し、1px単位で正確にオブジェクトを操作することが重要で、グリッドへの整合性や境界線の取り方、ラスタライズ解像度を意識したデータの作り方ができるかどうか、がポイントになります。また、CSS・SVG・JavaScriptを習得している場合には、これらがIllustratorで簡単に行える、ということが、トレーニングのご受講で理解できるかと思います。
- 拡大縮小しても劣化しないバナーやタイトルなどの作成
- Webページ全体のプロトタイプの作成
- イラストを、SVGのソースコードとして書き出す
- SVGソースに、JavaScriptを記述して、同時に書き出す。
- さまざまなイラストから、CSS(CSS3.0)を書き出す。
●DTP業界
DTP業界の方は、印刷に必要な独自の知識、例えば、裁ち落とし、トラッピング、オーバープリント、補色など印刷独自のスキルも必要になりますが、このトレーニングでは、Web・DTP・映像業界など広く全般に使用できる汎用性の高い機能をトレーニングしているため、これら印刷独自の知識は、「画像をきれいに編集する方法(この画像はなぜきれいなのか?)」という、Photoshopのトレーニングで行っています。
このトレーニングでは、透明を扱った場合のプリントアウトの方法、またテキストデータを使用した場合、印刷会社や別のデザイナーにデータを渡して印刷及び修正・加工してもらうと、データを渡した相手先の環境で、同一のフォントを持っていないと、データ内の文字が代替フォントで表示されてしまうことから、文字はアウトライン化といって、文字の形をした図形に作り替える必要がありますが、このようなテキストの扱い全般の理解を深めることができます。
- チラシやポスターに使用する、ロゴ、タイトル、図版、地図などの作成
- Illustratorだけで作成する、ページ物制作
- 既存オブジェクトを流用して効率よくデータを作り上げる方法
- 透明を使ったデータのプリントアウトの仕方
- テキストの扱い。旧バージョンとのテキストの互換。
- InDesignなど、他のレイアウトソフトにデータを渡す際に必要な保存形式。
●映像業界
Illustratorは、主にDTPまたはWeb業界で使用し、映像業界でIllustratorを常態的に使用している人はあまりいらっしゃらないかと思いますが、拡大縮小しても劣化の無い、汎用性の高いデータを作成できることから、多方面で使用されるため、クリエイターのスキルとして、Illustratorの習得は、ほぼ必須のスキルと言えるかと思います。
特にAfterEffectsでアニメーションを作成する際、Illustratorで作成したオブジェクトの軌跡をモーションパスとして活用することができます。AfterEffects上ではきれいに描ける曲線には限界があり、例えば、渦巻き、円弧、扇形などの曲線は、Illustratorで作成して、AfterEffectsで活用します。
また、Illustratorで作成したオブジェクトは、AFterEffectsに取り込んだ後、シェイプレイヤーに変換して活用することが可能であるため、パターンや地紋をIllustratorで作成し、拡大縮小しても劣化の無いデータとして、映像の背景に使用する、ということも可能になります。
- テロップやスーパー、オープニングムービー作成時のマスク作成
- AfterEffectsで使用する、モーションパスの作成
- のちのち、サイズを変更して使用する可能性があるロゴなどの作成
- パターンを作成し、映像の背景として活用する